もう「最弱」とは言わせない。覚悟決めた持統師、逆襲の物語。
かつて、「最弱」と呼ばれた厩舎があった。
持統裕也厩舎。2023年獲得賞金額最下位。開業から1年以上、重賞勝ち馬なし。
後発の厩舎に追い抜かれ、いつしか「ハズレ厩舎」と化した持統厩舎。
「馬場に抜かれた時には、もうおしまいだと思いましたね。」
当時を振り返って、持統師はこう語った。
馬場師は、持統師にとって最大のライバルだった。
馬場厩舎もまた活躍馬に恵まれず、苦しんでいた厩舎のひとつだった。
しかし、2023年12月。馬場厩舎のヤセスギケンコー(Indasto)がS3 金沢文庫杯を制した。
「当時は、最弱と言えば馬場でしたよ。それが重賞を取ったんですから。それで、どうやら馬場より酷い奴がいるらしいぞと。それが僕でした。」
より持統師を苦しめたのは、ヤセスギケンコーは決して抜けて強い馬ではなかったことだった。馬場師の不断の努力と、騎手との連携力、レースの見極め。それらが噛み合った勝利だった。
「競馬はブラッドスポーツです。良い騎手が乗ってくれれば、新馬戦でその馬の実力の8割は分かります。分かってしまうんです。」
持統師のこの考えは、当時も今も変わらない。ただし、金沢文庫杯で味わった屈辱から、変わったことがあった。
「それでも、あと2割は分かりませんから。2割あれば、1,2馬身の差はひっくり返せます。」
2割は、まだ分からない。その2割で、勝つ。その覚悟が、持統師を変えた。
2024年、持統師は重賞こそ勝てなかったが、37勝を挙げ勝率は27%。勝利数、勝率ともに1位に輝いた。
「こんな簡単なことに、どうして気がつかなかったんだと、過去の自分を恨みましたね。」
もはやそこには「最弱」の雰囲気などなかった。常勝厩舎としての自信。さあ次は重賞だ。その意気込みは、持統厩舎をさらに進化させた。
そして、苦節2年半。ついに、その時はやってきた。
先頭はコスモファンブルだ!コスモファンブル譲らない!
コスモファンブル 先頭でゴールイン!
ついに、やった。夢が、叶った。
いつか来ると思っていたその日が、ついに訪れた。
2025年9月29日。S2 古賀杯ルーキーマイルをコスモファンブル(めいめい)が制した。
「素直に嬉しかったです。これ以上ない喜び。馬場はこれを2年も早く味わっていたと考えたらムカつきましたけどね笑」
持統師の快進撃は止まらなかった。
迎えた、Jpn2 栗葉2歳優駿。最有力候補として、コスモファンブルは参戦した。
その馬を、止める者はいなかった。
「勝利しか見えていませんでした。ここは勝って当然。次はクラシックです。」
そう語った持統師。その眼には確かな自信と、更なる覚悟が映っていた。
「...もっと低俗で、下品で、それでも僕の根底に確かに存在する感情で言えば、ざまあみろ、と思いましたね。かつて僕を馬鹿にしてきた、全ての奴ら。そして、昔の自分にも。でも、僕は変わりました。もう、最弱とは言わせません。」
協力: 持統裕也調教師/持統厩舎
持統裕也厩舎。2023年獲得賞金額最下位。開業から1年以上、重賞勝ち馬なし。
後発の厩舎に追い抜かれ、いつしか「ハズレ厩舎」と化した持統厩舎。
「馬場に抜かれた時には、もうおしまいだと思いましたね。」
当時を振り返って、持統師はこう語った。
馬場師は、持統師にとって最大のライバルだった。
馬場厩舎もまた活躍馬に恵まれず、苦しんでいた厩舎のひとつだった。
しかし、2023年12月。馬場厩舎のヤセスギケンコー(Indasto)がS3 金沢文庫杯を制した。
「当時は、最弱と言えば馬場でしたよ。それが重賞を取ったんですから。それで、どうやら馬場より酷い奴がいるらしいぞと。それが僕でした。」
より持統師を苦しめたのは、ヤセスギケンコーは決して抜けて強い馬ではなかったことだった。馬場師の不断の努力と、騎手との連携力、レースの見極め。それらが噛み合った勝利だった。
「競馬はブラッドスポーツです。良い騎手が乗ってくれれば、新馬戦でその馬の実力の8割は分かります。分かってしまうんです。」
持統師のこの考えは、当時も今も変わらない。ただし、金沢文庫杯で味わった屈辱から、変わったことがあった。
「それでも、あと2割は分かりませんから。2割あれば、1,2馬身の差はひっくり返せます。」
2割は、まだ分からない。その2割で、勝つ。その覚悟が、持統師を変えた。
2024年、持統師は重賞こそ勝てなかったが、37勝を挙げ勝率は27%。勝利数、勝率ともに1位に輝いた。
「こんな簡単なことに、どうして気がつかなかったんだと、過去の自分を恨みましたね。」
もはやそこには「最弱」の雰囲気などなかった。常勝厩舎としての自信。さあ次は重賞だ。その意気込みは、持統厩舎をさらに進化させた。
そして、苦節2年半。ついに、その時はやってきた。
先頭はコスモファンブルだ!コスモファンブル譲らない!
コスモファンブル 先頭でゴールイン!
ついに、やった。夢が、叶った。
いつか来ると思っていたその日が、ついに訪れた。
2025年9月29日。S2 古賀杯ルーキーマイルをコスモファンブル(めいめい)が制した。
「素直に嬉しかったです。これ以上ない喜び。馬場はこれを2年も早く味わっていたと考えたらムカつきましたけどね笑」
持統師の快進撃は止まらなかった。
迎えた、Jpn2 栗葉2歳優駿。最有力候補として、コスモファンブルは参戦した。
その馬を、止める者はいなかった。
「勝利しか見えていませんでした。ここは勝って当然。次はクラシックです。」
そう語った持統師。その眼には確かな自信と、更なる覚悟が映っていた。
「...もっと低俗で、下品で、それでも僕の根底に確かに存在する感情で言えば、ざまあみろ、と思いましたね。かつて僕を馬鹿にしてきた、全ての奴ら。そして、昔の自分にも。でも、僕は変わりました。もう、最弱とは言わせません。」
協力: 持統裕也調教師/持統厩舎
著: Indasto
投稿日時: 2025-12-21 20:26:41
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